子供部屋のイメージは、インターネットや住宅雑誌、あるいはモデル住宅で見ることができます。共通していることは、どの子供部屋も楽しさや快適さであふれています。
子供部屋は本当にそれでいいのでしょうか?お金をかけても良い子供部屋ができるわけではありません。デザイン
性の高い子供部屋が子供にとってふさわしい環境とは限りません。快適な子供部屋であっても子供が健全に成長するとは言えません。
子供部屋に対する考えはいろいろあるでしょうが、ジャングルジムのような遊ぶ場所でもなく、友達と一緒に騒ぐ場所でもないはずです。遊んだり騒ぐところは外や居間で、子供室は勉強や睡眠するに適した環境
であること自分を見つめ自分と対話する。静かに思考する環境であることが
基本機能です。
子供はには一人ひとりに性格・個性あり、関心・興味も異なります。また日々成長しています。それでも、子供部屋は親が思考することが基本です。子供には経験がないが親には先を見通すことができます。子供のことを一番よく知っているのは親であり心配しているのも親です。
テレビで親子の間の悲惨な事件が放映されますがそれは今に始まったことではありません。以前、金属バットによる親子の殺人がありその時から子供が育つ住宅として様々なことがありました。
そんな時、子供部屋に対する様々な意見がありました。子供部屋はいらない・子供部屋にカギをつけない・子供部屋へは玄関から直接子供室へ入るのではなく、居間を通って子供室に入る‥‥。盛んに建築
家に提案された。しかし、親子の関係を理解していない「子供部屋」という見えることに拘
り過ぎているように思えた。
住まいづくりで「子供部屋」を思考する時は、「親子の関係」と「子供部屋の役割機能」をこの機会に再度考えてみる必要があるのではないかと思います。
建築主側が意識しておくことは「独善的な教育論」を話す設計士に設計を依頼する時です。設計担当者は教育研究者でもなく学校の先生でもないのです。
健全に育つような子供部屋の設計は、子供部屋の考え方が独りよがりでない客観的で提案力のある
工務店の設計担当者に出会えること。建築主と工務店側が「子供と住宅」「子供と環境」についての共通の認識で住まいづくりをすることが望ましい。 |