施工現場見学会/耐震性・耐久性・安全性はわからない
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「構造現場見学会」では「丈夫さは分からない」
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ここでは「木造住宅」の施工現場見学会についての案内です。
工務店が開催する現場見学会には「施工現場見学会」と「完成現場見学会」があります。「施工現場見学会」は施工の過程で公開される現場見学会です。一般に「建築現場見学会」又は「構造現場見学会」という名称で屋根工事が終了した段階で行われることが多いようです。
「建築現場見学会」の名称では焦点があいまいです。そこで、「構造現場見学会」の名称にすれば「構造材・丈夫さ」の現場見学会であることがわかるのでこの表現が使われます。
「構造現場見学会」に参加すれば構造材や丈夫さのことがわかるような気がしますが、実際は構造材をわかっても「丈夫さ」は「分からない」が正解のようです。
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施工中の工事を公開する「構造現場見学会」という現場見学会があります。「構造現場見学会」
を見学すれば「建築の丈夫さがわかる」ように思えるが、実際は「構造材を確かめる」ことができるが「丈夫さは分からない」ということが
現実でしょう。
どういうことかと言いますと見えるものは分かるが見えないことは確認しようがないのです。構造現場見学会を奨励する建築関係者は「構造現場見学会に参加すれば建物の丈夫さがわかる」と主張するかもしれないが、少し疑問を持った方が良さそうです。 |
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構造現場見学会の時期は屋根工事が終わった時が多いようです。その時期は基礎や柱・梁などの構造材を直接見ることができますが、建物を支える構造部分は確認することができない。
実際見えるところは確認できます。基礎の高さ・構造材使用されている木材・各部の接合金物‥‥です。でも耐震性・耐久性・安全性は分からないのです。理由は見えないからです。
基礎工事は出来上がった後では強さを判断する鉄筋を確認できない。コンクリート強度が分からなければ基礎の丈夫さも分からない。水セメント比の数値が分からなければコンクリート強度を判断できないし丈夫さも分からない。
木造の柱がどんなに多く使っていても接合部がどのように処理されていても、通し柱が多くあっても地震力による変形がわからなければ安全性がわからない。特殊工法を説明されてもその耐久性はわからない。つまり耐震性も丈夫さも
耐久性も分からないのです。
耐震性や丈夫さは耐震計画・構造計算書・施工手順を確認してわかることなのです。それでは、構造現場見学会で何がわかるのでしょうか?「構造現場見学会では構造材を確認できても、耐震性・耐久性・安全性は分からない」と考えた方が無難かもしれません。 |
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工事は出来上がるまでの過程が重要なのですが、「構造現場見学会」では出来上がったものなのでその過程が見えない。構造現場見学会の建物が長期優良住宅であったとしても施工品質が高いとは言えないのです。
施工には標準仕様の施工法がありますが手抜きしないでいくらでも下がります。例えば住まいづくりでもっとも重要な基礎工事にしても施工をしやすくするために水セメント比を上げる(水の割合を多くする)ほど施工がしやすくなるが強度は下がる。また工期を短くすれば工事内容は雑になるが工事費は下がる。それは第三者が管理しても工務店側に施工法を変えようとする意識があれば管理しきれるものではない。 |
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「構造現場見学会」ではどんな住宅が出来上がるのか分からない。これは工事中の現場なので当たり前のことです。
住宅の規模はある程度ならわかりますが、和風住宅・洋風住宅、間取り、居室、設備‥‥。全く分からない。
それでも工務店側にしてみれば「構造現場見学会」・「完成現場見学会」を公開する目的は同じです。その目的とは「見込客を探す」ことです。 |
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「構造現場見学会」は骨組みの見える施工中の建築現場です。趣旨からいえば単なる「骨組み構造」を学ぶことです。
そのような「構造現場見学会」でも、思考を変えることで多くのことを学ぶことができます。下記に3つの事例を記述しましたが、その他にもいろいろあるかと思います。 |
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先程の「構造現場見学会では構造材を確認できても、耐震性・耐久性・安全性は分からない」ことであるなら「耐震性・耐久性・安全性」を確認することです。それにはいくつか質問することで確認することができます。
✔基礎の強さはどうやって判断するのですか?
✔基礎工事が出来上がた後で、基礎の強さをどう判断すればいいのですか?
✔木造の柱や梁が見える状況で、耐震性をどう判断すればいいのですか?
✔この状況で、建物の耐久性をどう判断すればいいのですか?
一見嫌がられる質問にも思えるかもしれないが、当たり前の質問なので聞くことは何も失礼なことではないのです。知っていることを教えてあげることはうれしいことなので現場担当者は質問には喜んで回答してくれます。 |
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工務店の実情は第三者にはなかなか分からない。ホームページで紹介される企業情報は一つの側面に過ぎない。工務店が過去にどのような経歴であっても未来を約束したものではない。それどころか、現在の状況に自信のない工務店程過去を自慢したがるものです。建築主側にとっては過去の実績より自分たちの望む住まいづくりを実行できる企業力があるかどうかなのです。
そこで、現場見学会で工務店を評価するのです。「企業力の評価」は評価する側で判断します。銀行であれば損益計算書が判断基準となるでしょうし、社会的な評価は社会への貢献度や評判が判断基準となるでしょう。
工務店の評価は「望む住まいづくりができるかどうか」になるでしょう。注意するは「印象で判断しない」「一つのことで全体を判断しない」ことです。具体的には、「営業」・「設計」・「価格」・「施工」・「保証」に関する評価になります。 |
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ビジネスには競合があるように住宅業界にも競合があります。今は工務店の競合相手は同業者の工務店が多くなりましたが、「住宅メーカー」への競合意識が強いのです。
工務店は住宅メーカーについて多くの情報を持っています。住宅だけでなく建築業界・建築費・価格・住まいづくりの進め方・保証内容‥‥・・。広範囲の情報を持っています。特に競合意識が強いものですから、住宅メーカの欠点をよく知っています。建築主がどんなに「住宅メーカー」に関することを質問しても不快には思われません。
「住宅メーカー」について質問すれば「住宅メーカー」対「工務店」という構図の回答が多くなりますが、工務店側の主張を鵜のみしないまでも参考になります。
また、同業者である他の工務店についても質問してもいいでしょう。但し、同業者のことを聞くのには質問の仕方に注意を払わないと回答する側は困りますので、質問する前に回答者への配慮は必要でしょう。 |
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当方の提唱
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「完成現場見学会」では構造材のことは確認できても「耐震性・耐久性・安全性」が分からないが、「耐震性・耐久性・安全性」について学ぶ。また「工務店の企業力」を確認する良い機会です。
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今は住宅の「耐震性・耐久性・安全性」に関する情報を集めることは難しくはありませんが、建築業者の専門家に聞いてみることは無駄にはなりません。上手に質問すれば納得いくような回答を得られるでしょう。下記に事例を記しましたので参考にして下さい。
✔地震に強い建物をつくるポイントを教えて下さい?
✔木造住宅を長持ちさせる方法は?
✔地震だけでなく、自然災害に強い住まいづくりに関心があるのですが? |
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シッカリした工事ができるかどうかは現場監督の「人柄と能力」によって決まることが多いのです。建築工事には多くの業種や作業があります。現場監督が建築工事を勉強する教材はいくらでもあります。工事の品質を高めることもできるし落とすこともできるわけです。いわゆる上手に手抜き工事もできるのです。
手抜き工事をしようと思えば第三者がどんなに管理しようとも防ぎきれるものではない。手抜き工事までいかなくてもいくらでもごまかせるのです。仕事をごまかすことは結局は自分自身の誇りをも捨てることになります。仕事に誇りと自信を持っている現場監督であるかどうかは、話すことで次第にわかってきます。 |
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