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実務書

住宅建築/住宅業界
 
 

工務店/建築主が望んでいる工務店

 

 
 
 

望ましい工務店は「1.面倒見が良く、2.実行力があって、3.建築主側の望みを叶えてくれる」ということになる

建築主側に立てば、望ましい工務店を簡単に表現すれば「1.面倒見が良く、2.実行力があって、3.建築主側の望みを叶えてくれる」ということになるでしょう。

大概の工務店は「1.面倒見が良い」と「2.実行力」の2つの条件がそろっています。ところが、「3.建築主側の望みを叶えてくれる」となりますと、建築主側の条件・要望にもよりますがそれほど多くはないと思います。理由は建築主側の条件や要望は以前とはくらべものならない程高くなって きたからです。

 

目次

1.工務店の認識

1.1.価格

1.2.設計

1.3.施工

1.4.保証

2.望ましい工務店

2.1.最初から競合を避ける営業はしない

2.2.建築主の予算ないで建築する

2.3.他社に負けない提案力を持つ

2.4.親身になって対応する

2.5.注文住宅の魅力を活かす

3.当方の提唱

3.1.工務店には得意・不得意の分野があります

3.2.建築主側の望みを実現できる、ビジネス環境をつくる

3.3.建築主側の望みを実現する

 
 

工務店の認識

建築主がどのような工務店を望んでいるのか?、それは、アンケートで消費者の心理や要望を正確に知ることができます。建築主の思いは、工務店の魅力とハウスメーカーの魅力は正反対でその項目は重なっていない。商品やデザインンは工務店の魅力とはなっていない。このアンケートの結果から、工務店はハウスメーカーの真似をしないで異なる魅力を大事にしていくことが重要。

 〔アンケート/工務店の魅力〕

1.親身で、融通がきく
2.予算の範囲内で家が建てられる
3.要望に合う提案をしてくれる

 

●価格

工務店の注文住宅は「自由度が高い」ので、お客さん側の条件や要望に対応して建築することができます。これは住宅メーカーの商品住宅や建築家の作品住宅にくらべて大きな特長です。

住宅価格は、同じ仕様なら工務店によってそれほど大きな差はないようです。工務店は注文住宅を得意としています。商品住宅や企画住宅と違い、注文住宅の価格は見積りしなければいくらなるかわからないというのが正直な回答でしょう。

しかし、それでは建築主は困ってしまう。設計ができてから建設費がいくらかかるといわれても困るわけです。“設計をする前に価格”を知りたいと建築主は誰も思うことです。

そのこと避ける方法は、工務店側の経験が頼りになります。工務店は住まいづくりをいくつも手がけていますから、建築主の希望を聞けばある程度の住宅の価格は予想がつくものです。

 

●設計

工務店の設計は、建築家と違った設計の良さが多くあります。建築家にありがちな設計者の個性を売り込むような設計姿勢ではなく、建築主と一緒になって設計を進めていくことが多い。好ましいことだと思います。

工務店の設計業務は、建築主の要望を聞きながら何度も何度も設計を繰り返しながら進めていくことが多い。それに、住まいづくりの設計・施工の業務を長年やっているので、価格に裏付けられた設計には安心感があります。

建築主の多くは、デザイン設計は工務店は不得意と思っているが、そんなことはなく、建築主が要望をきちんと伝えれば、要望に応える設計をできる能力を十分に持っています。

設計者にはいろいろな方がいる。能力にも大きな差があります。その能力差をカバーし良い設計をするには、相性の合う設計者と一緒に共同作業をすることがコツです。デザインなら、多くの住宅雑誌やカタログあるいはインターネットで具体的なイメージを整理する。健康住宅なら健康住宅の情報を集めていく、同じ考えで共同作業をする。このように、一緒にいい住宅を考えていく姿勢が良い設計をするコツだと思います。

 

●施工

全国にある工務店のほとんどが設計力・施工力を持ち良心的な仕事をしています。それなのに、最近、工務店には設計能力はないような印象や工事監理をしなければ手抜き工事が行われるような印象を与える記事が多くなりました。

 きちんとした工事は第3者の管理によって出来不出来が生まれるのではなく、工務店側の企業姿勢によることが大きいと思います。工務店が手抜きしようと思えば、第3者がどんなに管理しても手抜き工事は行われます。

住宅づくりの姿勢が正しければ、誰が管理しようともきちんとした工事が行われます。現実に、管理する設計士の多くは手抜き工事をしない施工業者だけを監理をする、いわば、最初から監理をする必要のない施工業者を選んでいることが多いのです。

 

●保証

保証内容には、工事前の保証、工事中の保証、完成引渡後の保証があります。建築はサービス業というより物品販売ですから、本来なら、建物と交換に金銭の授受が行われるのが理に叶っています。物(=建物)を受け取らないで金銭の授受が行われるなら、その保証いわゆる工事前の保証を要求する建築主はいないのも不思議な業界です。

工事が終わった後の保証について記してみます。建物は年月が経つにつれ劣化が始まります。自然劣化でない状況は有料であり、自然劣化への対応は無料に区別されるのが本来の姿だと思います。

また、一般に、保証内容は大手企業ほど詳細に書かれています。読むと、企業側が保証しないための逃げ道を書いてあるような文面内容に思えてきます。インターネットで住宅業界で訴訟中の事件が多く見ることができます。インターネットの検索画面で、「住宅メーカー、工務店名、○○ソーラー」と「訴訟、裁判」などで簡単に検索ができます。

現在、建築トラブルや手抜き工事を避けるための法律があります。それは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」です。インターネットなどで内容を確かめることができます。そして、工事契約をする時は、この法律を契約条件にすることをお勧めします。

契約をする前に、是非、当方の「確認書」で重要確認項目をチェックしてみて下さい。

 
 

望ましい工務店

このアンケートの結果から、望まれる工務店として存続するには、ハウスメーカーと同じように商品・工法・デザインを売り物にすることは、逆に、工務店の魅力を失わせる。

また、建築主は、他の工務店やハウスメーカーと並行して進めて行く傾向がありますので、最初から競合を避ける営業をしないことも重要なことです。

〔工務店の勝ち残り〕

1.最初から、競合を避ける営業はしない
2.建築主の予算内で、建築をする
3.他社に負けない提案力を持つ
4.親身なって対応する
5.商品・工法・デザインを売り物にしない

 

●最初から、競合を避ける営業はしない

ビジネス業界では競合があるのは当たり前です。

工務店側にしてみれば競合を避けたいと思うのでしょうがビジネス業界では無理なことです。建築主はインターネットであらゆる情報を得ることができます。従って、当然競合相手は必ず出てきます。

建築主に立って考えればわかることですが、いろいろ情報を集め比較しながら住まいづくりを進めていきたいと考えるのは自然なことです。お客さん側にメリットのないビジネス戦略は長くは続かないものです。

競合を避けられないなら、むしろ「積極的に競合を受け入れ、競合の世界で勝ち残る」ことを考える方が理にかなっています。競合があることで企業力が高くなるのはどんなビジネスも同じです。

最初から自社を決定してもらうことではなく、「1.競合に参加し、2.競合で勝ち残る」という戦略の方が望ましい。

 

●建築主の予算内で、建築をする

価格を売り物にすることは、商品住宅には良いかもしれないが注文住宅にはそぐわない。

「注文住宅」の魅力は建築主の条件や要望に対応できることです。工務店側に立った拘りは結果的に企業側の都合を押し付けることにもなります。

企業側の拘りに同意してくれるお客さんだけを対象にして住まいづくりをするのであればそれでもいいのでしょうが、「工務店の拡大成長」を望むのであれば、お客さんの都合に対応していく企業姿勢は大事なことでしょう。

住まいづくりの予算に関しても、建築主の予算内で住まいづくりができることも工務店の特長なのです。

 

●他社に負けない提案力を持つ

木造住宅の良さをいくら主張しても、工務店間では差別化にはなりません。

以前は、工務店の良さは住宅メーカーとの差別化をすればよかったのですが、今は、工務店同士の競合が多くなりましたので、更に差別化をしなければならなくなりました。

建築主の条件や要望は各人各様です。建築後の安心を重要視して「長期優良住宅」を望む方もいれば、維持費の少ない「省エネ住宅やZEH」を望む方もいます。あるいは個性的な「デザイン住宅」を望む方もいれば、「書斎やキッチン」に拘る人もいます。そんな建築主側に対応して工務店側も他社に負けない「提案」をすることが本来の「差別化」でしょう。

工務店が「木造住宅」を主張する時に用心しなければならない。それは、木造住宅の良さを主張すればするほど、お客さんを、“住宅メーカーから木造住宅の同業者工務店”への関心を高め、結果的に、他の同業者工務店に協力していることがあるのです。工務店間で勝ち残るには、差別化だけではなく、時代に即した「勝ち残り戦略」を広く・総合的に考えることです。

 

●親身なって対応する

親身になるとは「お客さん側に立って住まいづくりをする」ことです。

親身になるとは、経営者の顔が見えるとか地元密着工務店である等の外面的なことではなく、「お客さん側に立って、住まいづくりをする」ことなのではなかろうか?

工務店側が誠実に営業やDM送信をしても迷惑と思われることもあります。建築意識の高い方へ働きかけは良いかもしれないが、建築意識の低い方には慎重にしないとお客さんが離れてしまうことがあります。

今までは工務店が情報の優位性を背景に住まいづくりを進めて行くことができました。今後は情報を共有し対等な関係で「お客さん側に立って、住まいづくりを進めていく」ことの方が良いのではなかろうか?

 

●注文住宅の魅力を活かす

工務店側の「注文住宅」は、商品住宅や作品住宅とはことなる特長があります。

工務店の注文住宅は「自由度が高い」ので、お客さん側の条件や要望に対応して建築することができます。これは住宅メーカーの商品住宅や建築家の作品住宅にくらべて大きな特長です。

ところが、「自由度の高い、注文住宅の特長」を主張することを控え、特別の工法や建築部材を強く主張する、あるいは、作品住宅のようなデザイン住宅を売り物にしますと、お客さんが工務店に抱いている魅力を下げてしまうことになってしまう。

 
 

当方の提唱

工務店の業務は「設計業務と施工業務」と思われていますがそうではありません。これだけでは工務店は存続できないのです。工務店はさらに「マーケティング業務・営業業務」の業務をすることで利益を上げて経営存続ができることなのです。

「マーケティング業務・営業業務」を簡単に言えば、マーケティング業務は「お客さんを探す」ことであり、営業業務は「建築業務を進めていく」ことです。

注文住宅を業とする工務店は、市場で企業の存在価値を高めなければマーケティング力は高まらないし、お客さんに優れた価値を提案できなければ営業力は高くはならない。「設計・施工」に関しては工務店側が評価するでしょうが、「マーケティング・営業」に関してはお客さん側が評価します。

 

●工務店には得意・不得意の分野があります

一般に、工務店は施工業務は得意であるが「1.マーケティング」「2.営業」「3.設計の提案力」の各業務は不得意です。 簡単に説明しますと「1.マーケティング」は「お客さんを探す業務」、「2.営業」は「建築業務を進めていく業務」、「3.設計の提案力」は「 価値の高い住宅を提案する設計力」です。

工務店は市場で企業の存在価値を高めなければマーケティング力は高まらないし、お客さん側に立ってサポート出来なければ営業力は高くはならない。また、価値の高い住宅を提案(設計)できなければお客さんは離れて行ってしまう。

どうして工務店側が「1.マーケティング」「2.営業」「3.設計コンセプト」の企業力を高めることができない かと言いますと、その理由は業務の分野が異なるからです。

「設計業務」や「施工業務」は限定的な建築業界の分野で学問として体系化・標準化されており学校もあり教材もあります。一方「1.マーケティング」「2.営業」「3.設計 の提案力」は経営全般に関する領域で机上学だけでなく実学的な学問分野になるからです。

 

●建築主側の望みを実現できる、ビジネス環境をつくる

当方には「1.マーケティング」「2.営業」「3.設計の提案力」に関するノウハウがあります。工務店側には設計業務・施工業務の企業力は備わっていますので、当方の「ノウハウ」を工務店へ提供することで、工務店側は「注文住宅の特長である本来の「建築主に対応した、価値の高い住宅を実現」できるようになります。

工務店は存続し続けることで、建築主側へ建築後のアフター業務を保証することができます。当方のノウハウは工務店の持続的な経営にも大きく役に立つノウハウにもなります。

 

●建築主側の望みを実現する

「建築主側の望みを実現できる、ビジネス環境」が出来上がれば後は実行になります。「当方と工務店側の役割業務」を明確にし、それぞれの業務を進めて行きます。

当方の基本は「建築主側に立って住まいづくりを進めていきます」。言い方を変えれば「建築主側の声を聴く」ことに絶えず意識しています。「住学教室」の勉強会でも担当者が一方的に話すことではなく、絶えず「質問・意見・理解」を繰り返します。

「絶対的な価値より建築主側の価値を優先している」のは、住まいづくりは家族によって様々で「判断・選択する」のは生活する建築主です。決して企業側や第三者が決めることではないことです。

「住学教室」では「判断と選択の基本」を学べますが、担当者もそこで参加者からいろいろ学んでいます。

 
 

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