時折、営業マンを軽蔑するように「当社には営業マンがおりません」と言う工務店があります。しかし、誰かが住宅営業をやっているはずです。契約までの営業業務と契約という営業行為がなければ企業は存続できない。
「営業マン不要」と考える方は「1.営業業務を理解していない」あるいは「2.営業マンの役割業務を理解していない」ことがあるようです。
「1.営業業務を理解していない」は、営業マンの仕事は「お客さんを探すこと」であると考えていることです。お客さん探しは工務店の仕事である。工務店はお客さんを探すために宣伝広告・住宅展示場・現場見学会・・・。さまざまなことをします。このような行為でお客さん探しは工務店側の仕事であって営業マンだけに課せられた仕事ではないのです。
「2.営業マンの役割業務を理解していない」は、お客さんさえ探せれば営業マンがいなくても、設計担当者と工事担当者がいれば住まいづくりは進めていける。この発想の背景には「設計・施工は任せて下さい。信用しないお客さんはお断り」あるいは「他社と比較するようなお客さんはお断りする」という
工務店側に立った身勝手な考えがあります。
誰もが商品を購入する時は比較をします。住まいづくりは大きな買い物です。慎重に比較しながら住まいづくりを進めていく、時間をかけながら進めていく、決定はできるだけ遅くする。これは当たり前のことです。
建築主は住まいづくりを始めようと考えた時、総合住宅展示場を見学する、住宅雑誌やインターネットでいろいろ勉強する、そしていろんな住宅会社に相談をする。そして、一歩ずつ進めていきます。
工務店側に多くの建築実績があってもどんなに長く業務をやってきたとしても、建築主側が関心あるのは過去の実績でもなく創業期間でもなく、「自分たちの条件・要望に対応してどんな住まいづくりをしてくれるのか」です。
営業マンは建築主側に立って、住まいづくりのサポートします。工務店側からすればその存在価値は分かりにくいかもしれないが、建築主側に立てば営業マンの役割業務がわかります。
建築主側に立てば営業マンに望むことはいろいろあります。「住まいづくりのアドバイスをしてくれる」・「どんな質問にも対応してくれる」・「資金計画をしてくれる」・「最後まで面倒見てくれる」・「建築主側に立って工務店側に意見をしてくれる」・「建築主と設計担当者・工事担当者との調整をしてくれる」・・・。
建築主が望まないことは「束縛するような、義理や人情の人間関係を売込んでくる」・「他人の考えに耳をかそうとしない、職人気質の方」・「しつこくしてくること」・「建築主側の価値でなく、工務店側の価値を強く主張する」・「囲い込みをする」・「他社と比較させないようにする」・・・。建築主側に立てば当たり前のことです。
このように考えますと、アレコレとアドバイスしてくれる方でもなく、資金計画をしてくれる方でもない。そんなこと当たり前のことである。営業業は建築主側に立って望ましい住まいづくりをサポートしてくれる方になるのかもしれない。
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