一般に、建築主と設計者が一緒になって「条件・要望を整理」をします。具体的には、条件は「資金と敷地」に関すること要望は「住宅と住生活」に関することです。
設計者は「条件と要望」を具現化するために「プランニング」を進めていきます。進め方は「どんな生活を望むか?」をアレコレ思考することより、「間取り」を具体的に描きながら望む生活を思考する方が整理しやすくなります。
このような進めかたは間違いではないのですが、建築主側・設計する側の双方に「動機」と「目的」を絶えず意識していくことが大事です。
どういうことかといいますと、私たちは病気になった時病院へ行きます。それは病気になったのでという「動機」と、病気を治すためという「目的」があるからです。住まいづくりにも同じようなことが言えます。「どんな住宅を望みますか?」を思考する前に「何故住まいづくりをするのか?住まいづくりをする目的は?」から思考
することが大切です。
例えば、家族が健康的な生活環境を望んでいたとなら、いくら耐震性の高い住宅であってもそれで十分とは言えないのです。しかし、自然災害から家族を守るために住まいづくりをするのであれば、耐震住宅を設計することはでであればその家族に良い設計になるわけです。
「どんな住宅を望むか?」を考える時、少し立ち止まって「その目的は何なのか?」を考えてみるのです。そうすると「自然災害から家族を守るため」・「家族が健康に生活していくため」というテーマがいろいろ出てきます。
「家族が健康に暮らす」というテーマであれば、自分たちの生活にとって「健康的な生活とは、どんなことか?」とさらに問題や疑問が出てきます。一体家族の誰の健康を優先させるのか?健康とはどのようなことなのか?健康に生活するとはどのようなことなのか?健康を害することはなになのか?‥‥・。
そうしますと、建築主側の目的を実現するために、「健康住宅」に関しても、家事労働が合理的な住宅・収納計画で物が整理されてストレスが蓄積されない住宅あるいは空気の流れがある清潔な環境‥‥。いろんな設計を試みることができるのです。
それは、「健康住宅」や「耐震住宅」に限ったことだけではない。デザイン住宅にも言えます。「何故そのようなデザインを望んだのか?」を背景を思考するのです。”自慢したいのか?拘りがあるのか?‥‥”を思考することで本当の望みが見えてきます。 |