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建築費用/「建築費を下げる」考察

 
 
 

建築費用・住宅価格は完成してわかる

最近は、価格とか工法とかデザインとか、単純な比較で工務店を選ぶ人が少なくなりました。これは、建築主が賢くなったことが背景にあるのでしょう。特殊な工法を使わなくても一般的工法で十分に対応ができること、それに一般工法には繰り返しの改良と多く方に使用されている安心感があるのでしょう。

また、価格にしても、住宅事業者がどんなに価格の安さを訴えても、安くできる理由をもっともらしいことを言っても出来上がり価格にはそれほどの差がないこともわかってきたのでしょう。建築費用は完成まで変動していくので本当の住宅価格は完成してわかるものです。

 

目次

1.建築費

1.1.住宅価格

1.2.建築費用

2.建築費を下げる

2.1.「見積り価格」はいくらでも下がる

2.2.「見積書」を詳細にするほど高くなる

2.3.「見積り比較」は難しいが効果はある

3.当方の提唱

3.1.「良い住宅」を「安く建築する」

3.2.一緒に考えて、上手に任せる

 
 

建築費

 

●住宅価格

■住宅の価格を「本体価格・総価格・標準価格」という表現をします。簡単に説明しますと

✔本体価格

内・外装が完成した建物本体の価格。作り付けの設備機器も含まれる。一般的には、給排水工事は建物から1mまで、電気は接続部までで居室の照明器具は含まれない。

✔標準価格

オプションを含まない標準仕様の場合の価格。住宅メーカーの表示方式に多い。運送や地盤補強などに特に費用のかからない標準的な施工時の価格もこのように表現します。

✔総価格

建物本体以外の照明器具、空調機器、門、カーポートなど外構関係、諸手続き費用など一切を含んだ費用。設計事務所はこの方式でトータルに表示することが多い。

■一方、「賢明価格・賢明利潤・リーゾナブル価格」という表現がありますが、この表現は企業側に立った都合の良い表現です。

その証拠に、同じ設計内容で建築価格は競争入札でいくらでも下がります。業者は損してまで受注をしないから、建築の価格はどうなっているのだろうと思ってしまいます。それゆえ、住宅価格について正しい認識をしないと、住宅価格について疑心暗鬼になってしまう。

■一般に住宅価格と言えば本体工事費を指します。

ホームページで標準価格として価格を明記している工務店があります。しかし、一般には住宅の価格は打合せを進めて行く過程で高くなるのが普通です。住宅の本当の価格は出来上がった時に分かるものですが、価格が高くなってしまうのは建築主側の高級志向によることが多いのです。

■住宅価格

住まいづくりにはある程度お金をかけてもいいのかもしれない。理由は住まいづくりにお金をかけ過ぎて後悔している人は少ないからです。建築する前はできるだけお金をかけないことを考えます。ところが、建築後1.2年過ぎますと、台所をもっと広くすればよかった・天井収納庫を設ければよかった・設備機器のグレードを上げればよかった‥‥。など建築後の住宅費用への意識が変わることがあるのです。

 

●建築費用

建築費用の内訳を大きく分けますと、「1.本体工事費、2.付帯工事費、3.別途工事費、4.追加工事費、5.諸費用」になります。各項目はインターネットで調べればわかります。

✔本体工事費

本体工事費は名前の通り建物本体の建築費用です。本体工事費の呼び名は標準価格・本体価格なども表現しますが本体工事にかかる費用です。

✔付帯工事費

工事費にかかる費用ですが本体工事をするに欠かせない費用です。これは分かりやすく言いますと建物の周囲1m以上離れた工事費となります。例えば、道路から建物までも給排水工事・ガス配管設備工事がそれに相当します。

✔別途工事費

別途工事のカテゴリーに入るのは、解体工事、敷地調査、地盤調査、家屋調査、地盤改良、ガス・給排水引込み工事、電話工事、冷暖房工事、特注家具工事、照明器具工事、カーテン、置き家具、外構工事、造園工事など。別途工事全体の予算は、一般的には住宅総予算の内1.5〜2割程度といわれています。

設計図ができますと見積書を作成します。工務店側の見積書によりますが別途工事を明確に分ける場合あるいは分けないで工事項目ごとに計算する場合があります。 また、工務店側が標準価格と表示する場合には、それ以外の費用は全て別途工事費になります。例えば天井収納庫・地下収納庫や長期優良住宅・ZEH(ゼロエネルギー住宅)‥‥。等の工事です。

✔追加工事

追加工事とは、工事着工後に建築本体の工事内容が変更となり、その結果、追加となる工事です。例えば、建物外装がモルタル吹付の工事からタイル貼りの工事になる、設備機器の品番が変更になる、あるいは設備の仕様が追加となったり、階数が高くなったりなどした場合に追加となる工事です。

打合せを進めて行く過程で、例えば、出窓の追加・補強工事の追加・給湯機の容量変更・外装材の品番の変更・内装材の見地部材の変更・キッチン設備の変更‥‥・。と追加や変更が出てきます。

✔諸費用

この費用は設計業務・建築工事に間接的にかかる費用です。これは建築業務を進めて行く過程でかかる費用。建築設計に関する、調査費・申請費用‥‥。融資に関する、手数料・保険料・印紙代・登記・保証料‥‥。工事に関する、消費税・印紙代・納付金・式典‥‥。建替えに関する、荷物保管料・引っ越し費用・家賃‥‥。税金や登記に関する、登記料・各税金‥‥。インターネットで調べれば簡単に分かります。

 
 

建築費を下げる

●「見積り価格」はいくらでも下がる?

「1.部材」を下げるには、例えば給湯器等の設備機器はメーカーを変えれば価格は下がります。同じメーカーでも品番を変えれば下がります。同じように内装材・外装材はメーカーや品番変えれば下がります。工務店側でメーカーや品番を変えても建築主側は気が付きません。それは手抜き工事ではなく仕様の変更であるという認識なのでしょう。

「2.施工」に関してもいくらでも価格を下げることはできます。施工には標準仕様の施工法がありますが手抜きしないでいくらでも下がります。例えば住まいづくりでもっとも重要な基礎工事にしても施工をしやすくするために水セメント比を上げる(水の割合を多くする)ほど施工がしやすくなるが強度は下がる。また工期を短くすれば工事内容は雑になるが工事費は下がる。それは第三者が管理しても工務店側に施工法を変えようとする意識があれば管理しきれるものではない。

それでは「見積書」の内容を詳しすればいいのではと思うかもしれないが、そう簡単には言えない。一般に「価格」を決める「1.設計、2.仕様書」を詳細にすればするほど価格は上っていきます。理由は工務店側の自由度が少なくなってしまうからです。その結果「安く建築することが困難になてしまう」という問題が出てきてしまう。

出来上がりの商品や土地を購入する時はいくら値切っても商品や土地は変わらないので、比較・値引き交渉しながら価格を下げていくのは正しいことでしょう。しかし、これからつくる「住まいづくり」の場合には「設計・仕様書」を詳細にしなければ明確な価格は分からないので「価格」をメインにした比較は好ましくないように思える。

また、工務店側は「3.経費」・「4.利益」に関しては下げることはしないでしょう。しかし、工務店が下請けの場合には「1.部材」・「2.施工法」では下げられないので、「3.経費」・「4.利益」を下げる。理由は乱暴な表現をすれば「素人はいくらでも騙せるが、プロは騙せない」からです。

 

●「見積書」を詳細にするほど高くなる

一般の方には意外と思うかもしれないが「見積書を詳細にすればするほど高くなる」のです。簡単な事例を上げますとドアにしても本体・ハンドル・丁番・鍵・枠などいろんな部品から構成されています。それを詳細に計算していけば5万円になっても詳細に計算しなければ見た目が同じで品質が変わらないような3万円のドアはいくらでもあります。

見積書には数量計算(個数・長さ・面積・体積などの計算)で小数点以下まで表示されていますが、どれほどの意味があるのか疑問です。

床材にしても、業者側は坪単位で建材店から仕入れるわけです。見積書で面積が4.5坪の数字になっても5.0坪の床材を仕入れるわけです。このようなことは、外装材・内装材・構造材に共通して仕入れとのいわゆる無駄な建築部材が出てきます。それゆえに、工務店側は受注するための見積書と工事をするための実行見積書を作成するのです。無駄は建築主側・工務店側の双方にとって望ましくはないでしょう。

 

●「見積り比較」は難しいが効果はある

「建築コストを下げる」ために建築業界で利用されている手法があります。品質を落とさないことを前提に、設計と施工を総合的に考えてコストダウンをする手法です。

1.工事費削減
2.工期短縮
3.各種機能の向上

この手法は工務店側に立った方法です。それでは建築主側が立って安くする方法はどんなことがあるかと言いますと思いつくのは「見積り比較」です。

しかし、住まいづくりで「見積り比較」することは現実は困難です。理由は、設計や仕様を同じ条件にして比較することはなく、各工務店の設計と仕様によって計算した見積書の比較となります。つまり、詳細の比較はできないのです。

それでも、「比較をする」という行為は一定の効果はあります。工務店側は「見積り比較」なら受注するために価格を下げる企業努力をするわけです。さらに他社への対抗意識があるので建築主側への説明も詳しくなります。

 
 
 

当方の提唱

●「良い住宅」を「安く建築する」

”1.良い住宅を、2.安く建築する”この順が大事です。”「安くて、良い家」ではなく、「良い家を、安く建てる」”。最初に“良い住宅”を、次に“安く建築する方法”を考えていくのが、正しい順序であると思っている。

新築をしますと自慢をしたくなるものです。そんな時、家を建てた多くの方は”「価格」や「安く建てた」ことを自慢したいのではなく「いい家・良い住宅」を建てた”ことを自慢したいのだと思います。

総ヒノキで○○の価格の住宅・○○万円もするキッチン設備・この住宅が○○万円も安く建築した‥‥。と自慢されることより、台所は収納計画をしたので非常に使い易い・台所の片隅に本屋やパソコンを置ける居場所をつくった・玄関のタイルの目地をグレーにしたので汚れが目立たない・天井収納庫は物をたくさん置ける‥‥。など暮らしの快適さや便利さを自慢された方が素直に耳を傾けられるのではなかろうか。

 

●一緒に考えて、上手に任せる

「任せると安くなる」は事実です。建築主側が価格を設定して任せてしまうのです。こうしますといくらでも安くなります。

「建築業界は見せかけが多い」。コストの下げ方はいくらでも知っています。例えば床材にしてもいくらでも安くできるのです。メーカーを変える・床材の厚さを変える・床材の仕上げを変える‥‥。いわゆる品番を変えてしまうのです。しかも、見た目には分かりませんし、日常生活には支障が出ることはない。

つまり、工務店側に「任せると安くなる」が「リスク」が伴うのです。問題は「どう任せるか」です。建築主側は建築のプロではありませんので「上手な任せ方」はできないでしょう。そうであるなら、腹を割って話すことです。工務店側の利益を減らしてもらうことは一切考えないで、一緒になって考えていくことです。工務店側の経験を活かすことです。工務店側は利益が確保されれば協力は惜しまないはずです。

先程の床材にしても汎用品(広く使われている商品)を使う・床材の下地材も汎用品や木質系ボードを使う‥‥。などいろんなアドバイスをしてくれます。打合せをしながら進めて出来上がった「見積書」は建築主側も読めるようになります。尚、「上手な任せ方」は住学教室の「成功する5つの条件」で学ぶことができます。

 
 

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